リードオルガン修理の広場

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カテゴリ:竹オルガン(ヤマハ)( 9 )

竹オルガン(9)共鳴箱

共鳴箱についているピンのさびがひどかったので一本一本磨きます。

今回はこんなさび落としを使ってみました。

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サイドにパレットバルブがあたるのでサイドを念入りに。反対側のピンも同様に落とします。

そして出来ればロウを塗って滑りを良くしておくといいと思います。fuukinは全部パレットバルブを

取り付けてしまってから滑りが悪いことを発見。 全部また取り外してロウを塗りました。

ですから、そのような無駄をなくすためにもこの段階でロウを塗っておくといいと思いました。

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枕のフェルトを張り替えます。オリジナルがちょっと固めのものが貼られていたので、厚紙とフェル

トを重ねて枕を作りました。

でも、ここで注意!パレットバルブのフェルト・皮の部分よりこの枕が厚くなってしまうと、当然バ

ルブが閉まりませんよね。ですから、枕の厚さはバルブのフェルト・皮より少しだけ薄くしておいて

ください。

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共鳴箱のチェックをします。箱の角に紙を差し込んでみてください。す~っと紙が入ってしまうこと

があります。ということは、ここに隙間があるのでその場合は対処しなくてはなりませ

ん。ボンドで貼り付ける、あるいは△状の棒板を張り付けるなどしてください。

このオルガンの場合は幸い隙間はありませんでした。

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しかし、角のつなぎ目が何となく怪しかったので、ボンド、あるいは木工パテで埋めてクランプで押

えます。念には念をいれて。

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by kazenokoto | 2016-08-18 12:51 | 竹オルガン(ヤマハ) | Comments(0)

竹オルガン(8)パレットバルブ(格子口バルブ)張り替え

パレットバルブの張り替えです。

フェルトと皮を用意します。皮は触った感覚ではしっとりとしているものを使います。

バックスキン側を使いますが、きめの細かい上質のものを選びましょう。

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パレットバルブの中央のみにノリをつけます。しわなしピットがおすすめです。

ここでも、ボンドの使用は避けましょう。以前は膠を使いましたが、しわなしピットのほうがノリの

面が薄付きになるのでより良く、また簡単です。べったりとつけない理由は、端が浮いているほうが

密着が保たれるからです。

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フェルト、皮を重ねてパレットバルブをフェルトの上に貼り付けます。

バルブの古いフェルト・皮をはがす時にオリジナルの貼り位置のしるしをつけることを忘れないでく

ださい。

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フェルトをくるっとめくって、ちょうどバルブのサイドあたりにノリをつけます。

こうすると、フェルトを戻したときにちょうど中央あたりにノリが付くことになります。ここも、あ

まりべったりつけないように注意。こうして、フェルトと皮を接着します。

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この一連の作業を繰り返しますが、次のパレットバルブを置く時にハガキ一枚分の紙を入れます。

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こんな感じになりました!

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ハガキを抜いて丸型のカッターで切ります。丸型のほうがフェルト、皮のもつれがなくきれいに仕上

がります。

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出来上がり!!

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横から見ると中央にのみノリがついていて、フェルトと皮の端はべったりつかずにフリル状態になっ

ています。

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by kazenokoto | 2016-08-18 12:19 | 竹オルガン(ヤマハ) | Comments(0)

竹オルガン (7)大袋と棚板の取り付け

大袋と棚板を取り付けます。

棚板に少し切れ目がありました。このような隙間から空気が抜けてしまうのでボンドを入れてクラン

プで押えて閉じます。

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大袋側の取り付け面です。

ここがきちっと平らになっているかどうかを確認します。

隙間があったら、やすりをかけます。ここにもロウを塗るといいと思います。

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棚板側の取り付け面です。

ずいぶんデコボコ、ザラザラですね。ここにもやすりをかけてロウを塗ってツルツルにします。

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こういう細かいところで、1秒、2秒と稼ぎましょう。
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by kazenokoto | 2016-08-18 11:38 | 竹オルガン(ヤマハ) | Comments(0)

竹オルガン(6)小袋のバルブ

ですから、小袋のバルブは空気をかき出しては押さえ、かき出しては押さえ、という役目なのでピタッ!としていなくてはなりません。

通常、バルブは皮を使用します。

土台となる板のほうも密度を高めるためにロウを塗ってツルツルにしておきます。

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大袋と小袋を取り付けました。

竹のバネはこんな感じです。

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ちなみに小袋のバネはいろいろな釘穴が開いていますが、もともと開いていたものです。

多分オリジナルがこの写真の位置だと思って取り付けましたが、この後、完成させてみるとバネの

力が弱かったです。

以前に修理した人もいろいろと試行錯誤して写真でちょっと白っぽくなっている位置にしたのかなあ

ということがわかります。

修理というのはこのように古の人との対話のようなものも体験します。
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by kazenokoto | 2016-08-18 00:55 | 竹オルガン(ヤマハ) | Comments(0)

竹オルガン(5)リードオルガンは吸い込み式

リードオルガンはペダルを踏んで、空気を送り込んで…。

とよく耳にしますが、厳密に言うと空気をかきだして、大袋を真空にする「吸い込み式」なのです。

「吸い込み式」というとわからなくなってしまう方が多く、特に女性の方にはわかりにくいようです。

そんな時、講習会でオルガンを解体したときに小袋の動きを見ることが出来ます。

小袋を動かした時に、風がこちら側に吹いてきます。

こんな風に…。

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(今時、動画じゃなくてごめんなさい。007.gif

この風を体験すると、「あ~、そうか!」と理解される方が多いのです。

小袋の役目は大袋に接続されていて、大袋の中の空気をかき出します。

つまりペダルを踏むたびに小袋からこのように空気がかき出されるのですね。

もちろん、中央の穴は開きっぱなしではなく、バルブで押えます。

そうするとどんどんどんどん大袋が縮んで真空になっていきます。

一番身近なもので真空にしていくものといえば、布団圧縮袋です。

掃除機で吸い取っていくと、だんだん真空になっていきますよね。

そして蓋をあけるとしゅ~っと膨らんでいきます。

蓋を開ける=鍵盤を下げると考えてください。そのときしゅ~っと空気の流れができますね。

すると、フ~っ060.gifとリードが鳴ります。

大袋は元に戻ろうとします。そしてまた小袋でかき出す。この繰り返しです。
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by kazenokoto | 2016-08-18 00:37 | 竹オルガン(ヤマハ) | Comments(0)

竹オルガン(4)リード

リードを磨きました。
昭和16年のオルガン。物資の不足はこんなところにも…。
土台はアルミでできています。ちょっと軽い。

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by kazenokoto | 2016-08-17 23:54 | 竹オルガン(ヤマハ) | Comments(2)

竹オルガン (3)鍵盤土台

鍵盤の土台の部分です。

まず、ピンは古いものは大体さびていますので、すべて良く磨きます。鍵盤の動きをよくします。

ひものような布が貼ってありますが、ここはフェルトが貼ってあることもあります。

同じようなひもはなかなか見つからないので、このオルガンの場合はそのまま使うことにしました。

あまり、古いようであれば取り替えましょう。

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ここに「くわえ」とう鍵盤の押さえが来ます。なるべく点で支えるためにひものようなものが使われ

たり、細いフェルトが使われています。

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反対側の指が当たる部分のピンは楕円形になっています。

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写真の状態は一番細い状態です。左右に動かすと少し幅が広くなります。

鍵盤を持ち上げてみてストンと落ちない場合、このように動きが鈍いと実際に音が出たとき、サステ

イン状態になってしまいます。

鍵盤を持ち上げて、
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ストンと落ちる。
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もしストンと落ちず動きが鈍い場合は、この楕円形の部分を一番細い状態にします。

道具はキースペーサーというピアノ用のものです。

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反対にあまり緩すぎてガタガタの場合は少し太くしましょう。黒鍵から作業するとやりやすいです。

くわえを付けて鍵盤が完成です。
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by kazenokoto | 2015-09-23 22:35 | 竹オルガン(ヤマハ) | Comments(0)

竹オルガン (2)鍵盤

友人のYさんが修理を手伝ってくれて、鍵盤の裏のフェルトのにかわはがしの作業を持ち帰ってくれました。

あっという間にこんなにきれいになって帰ってきました~!

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Yさん、ありがとう~!!! 助かりました!m(__)m

ピンが当たる部分のフェルトを貼り換えます。薄いフェルトがなかったので厚めの布で代用しました。

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このように、修理で何度も貼り換える可能性のある部分には必ずにかわを使います。

オルガンによっては大袋、小袋にボンドを使っている修理があるそうで、それは次の修復者が本当に困ってしまいます。

にかわは、何十年たってもお湯で溶けるのできれいにはがすことができます。

にかわの扱いはよくわからないのですが、まずゼラチンのように水に浸します。

そして湯せんにかけます。あまりぐつぐつしないで50度~60度のお湯で溶かすと良いと聞きました。

にかわには粒や板などいろいろな種類があります。色も様々ですが、あまりドロドロにしないで

ちょっと水っぽい、さらっとした状態のほうがきれいにつきます。

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一本、一本全部で61本、にかわでつけるのはちょっと根気がいる作業です。

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フェルトの部分の押さえにしているものは、師匠のI先生が作られた専用の秘密兵器です!

こういう道具の開発をいとも簡単に、そしてとても楽しそうになさいます。

ありがたくもいただいてしまいました。
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by kazenokoto | 2015-09-23 21:23 | 竹オルガン(ヤマハ) | Comments(0)

竹オルガン (1)

次の楽器の修復に入ります。

次は、通称竹オルガンです。この楽器は10年以上前、一番最初にオークションで落札したものです。

どのような楽器か全くわからず、修理のまねごとをした後、袋の張り替えもせずそのままになっていました。

実は、過去二回の天城山荘の修理講習会で小袋の張り替えを受講生の皆さんにしてもらいました。

そのため、今は解体されたままになっています。

なぜ、竹オルガンと呼ぶかというと…。

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なんと!バネが竹でできているのです!!

古いものなんだね~(^^;)と来た当初は笑っていましたが、2,3年前に買った三浦啓市氏著「ヤマハ

草創譜~洋楽事始から昭和中期までの70年余をふりかえる~」で 製作年代を調べてみました。

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308517 です。これは、昭和16年に作られたものでした。

ちなみにこの三浦啓市氏著「ヤマハ草創譜」はヤマハオルガンの製造年代が調べられる他、ヤマハの

すべてがわかる貴重な本です。

昭和16年、どんな時代だったのでしょうか? 保存版 現代用語20世紀辞典で調べてみました。

昭和15年 ーぜいたくは敵だー 国民服令が公布され、一般にも国防色の国民服着用が奨励されます。

女子はこの頃からモンペ姿が多くなってきたそうです。また、適性語の禁止の気運が高まり、ドレミ

ファソもはにほへとに変更されました。(!)

そして、昭和16年ついに太平洋戦争に突入です。

オルガンに鉄のバネも使えないほど物資のなかった日本が「進め一億 火の玉だ」と国民を動員して

戦争に向かっていったのです。

そう思うとこのオルガンは歴史の証人のような気がして、戦後70年の今年のうちに何とか修復を終

えようと思います。
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by kazenokoto | 2015-09-04 00:16 | 竹オルガン(ヤマハ) | Comments(0)