リードオルガン修理の広場

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解体①

解体をしていくといろいろな事がわかってきます。

まず鍵盤回りですが、鍵盤横の板を外すとあっさり鍵盤の深さが正常に…。

組み立ての時点でバランスが崩れて鍵盤が浅くなってしまったようです。

返すがえすも、出来上がった時点で一度弾いてみてくれれば!と思うばかりです。
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【正常な位置に戻った鍵盤】

この時点で、鍵盤の下がり具合も調べておきましょう。

一つ一つの鍵盤を弾いてみると降り方がキシキシと渋い箇所やカチカチと音がする箇所があります。

これはピットマンにひっかかりがある、或は共鳴箱内部のパレットバルブを押えるバネが原因の場合があります。

組み立ててからでは2度手間になりますので、今のうちに調べてチェックしておき解体した時にしっかり調整しておきます。


解体するときは、必ず写真それぞれの段階で写真を撮っておきましょう。

すぐに元に戻せるのなら記憶を頼りに出来ますが、修理が長引いたり、忙しくてなかなか修理が出来ないと3カ月~4か月とほったらかしになってしまう場合もあります。その時、写真が非常に参考になります。

また、メモなども有効です。

鍵盤を外した後から記録します。

ピットマンガイドを外す→ピットマンを外す→カプラーボードを外す→フルオルガンピンを外す→ストップ連結を外す→スウェルボックスを外す…、等々です。組み立ては反対に戻っていきます。

ストップ連結では、新しいものが作られている箇所がありました。とてもきれいに作られています。
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こういうものは得意な人だったのだろうなあ…と思ったりします。






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by kazenokoto | 2017-08-23 22:45 | ヤマハオルガン11ストップ(大正時代) | Comments(0)

修理の前に 楽器の問題点を知る②

次の問題点は鳴りっぱなしです。
ストップを出していないのに鍵盤を押すと音が出てしまいます。

音が出てしまう音は、
上半分のCeleste全部と下半分のAeolian Harp全部、またViola4フィートの11か所 です。

ストップを出していないのに音が出てしまうということは、音がストップされていないということです。
リードの蓋の閉まり方が甘いために息が漏れてしまいます。

また、なぜか鍵盤がとても浅く弾きにくく、音もしっかり鳴りません。一番上の鍵盤は戻りが悪いです。
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鍵盤下に2枚フェルトが敷いてありますが、これが高すぎるのかな?

また、フルオルガンも機能せずニーレバーが外れてしまっています。
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連結棒がだらんとしてしまっています。

また、ペダルを踏んだだけでヒューヒューと息漏れの音がします。

ということでこのオルガンの問題点をまとめると次のようになります。

①小袋のバネが大きすぎる。
②リード蓋が閉まりきらず、鳴りっぱなしがある。
③ペダルを踏むと息漏れの音がする。音持ちは9秒と短すぎる。
④鍵盤が浅く弾きにくく、音もしっかり出ない。

これらの点を改善しながら修理をしていきます。出来るかな~?!140.png
とにかく目の前にある課題を一つずつ解決しながら進んでいきます。












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by kazenokoto | 2017-08-17 16:35 | ヤマハオルガン11ストップ(大正時代) | Comments(3)

修理の前に 楽器の問題点を知る①

今年の夏はストップ付きオルガンの修理を始めます。
大正時代のヤマハオルガンです。立派な彫刻が頭についたオルガンです。
修理の前にこのオルガンの現在の状態を知らなくてはなりません。そこから、どのような修理をしていくかを考えていきます。
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まず、オルガンの前に座ってすることは音持ちを調べることです。基本の8フィートのストップを引っ張ります。
この場合は①Melodiaです。ペダルを踏んで後ろ側の大袋のバルブがシュッ!シュッ!と音がするまで大袋の空気をかき出します。
これはもう大袋がこれ以上縮まないよ!というサインです。そこでペダルから足を離し、同時にドの音を鳴らします。
音が出なくなるまでの秒数を計ります。

このオルガンは9秒でした。この規模のオルガンでしたら最低でも25秒は欲しいところです。
この音持ちが短いということはいろいろな部分から空気が抜けてしまっているということです。

今迄見たことがある音持ちの良いオルガンは、49鍵のオルガンでも30秒、7個ストップのもので45秒のものがありました。
袋貼りやパッキンの部分をいかに気密性を良くするかで結果が決まってきます。 

次に大きな問題がありました。
このオルガンは教会で使われていましたが、修理をした後に弾きにくくなってしまっていずれ誰も弾かなくなってしまったとのこと。
ペダルを踏むとき、なぜか渾身の力を込めて踏まなくてはならない程硬く重いのです。
これでは、年配の方などは腰を痛めてしまい到底演奏などできません。
なぜ、こんなに重いのでしょうか?

「オルガンは外国人用だから重いのです。」とおっしゃる方もいらっしゃいましたが、とんでもない!!!137.png
外国のオルガンだってこんなに硬くはありません。

小袋のバネを調べてみると、あれ?大正時代の古いオルガンなのになぜかバネがピカピカ177.png177.png
そうか!修理をした方がバネが折れたか何かでバネを変えてしまったのです。それも、大袋用の太いバネに…。143.png
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左の太いバネが実際に小袋に使われていたもの(実際は大袋用)
右は通常の小袋用のバネ(これだけ太さが違います。)
これでは、親の仇とばかりに踏まなくてはなりませんね。

なぜ、このようなことが起こってしまったのでしょうか?
この楽器を修理してくださった方は、おそらくオルガンの修理を善意でしてくださったのだと思います。
教会のご婦人方が弾かれるのを知っていて、わざとこの大きなバネを小袋に取り付けたとしたらそれは本当に意地悪としか言いようがありません。それなのに、善意で行っているのになぜこの悲劇が生まれてしまったのでしょうか?
その理由はただひとつ。
修理をした方にオルガンの演奏体験がないからなのです。

それは楽譜を読んで上手に演奏できるべきということではなく、まずオルガンの椅子に座ってみる、ペダルを踏んでみる、踏みながらスウェルを動かしてみる、フルオルガンのニースウェルを動かしてみる、鍵盤を単音で弾いてみる、和音で弾いてみる、弾きながらストップを出してみる…、という行動をまずしてみることがとてもとても大切なのです。
どこの動きをスムーズにしたらいいのか、和音で弾くとどれだけ空気が抜けていくのか、足の踏み具合、鍵盤の深さを体で体験してみてください。
それさえしてくれていたら、このオルガンがお蔵入りすることは無かったはずです。
善意の修理が仇となることは無かったはずです。

修理をする人はまず、オルガンを弾いてみよう、音を出してみようということは修理の鉄則です。

  


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by kazenokoto | 2017-08-16 23:51 | ヤマハオルガン11ストップ(大正時代) | Comments(0)