リードオルガン修理の広場

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解体⑥ 鍵盤 リード

鍵盤もメンテナンスします。
白鍵が汚れているので、外して一本、一本磨きます。
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裏側のフェルトも劣化が見られますので張り替えます。
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また、リードもすべて外して洗います。汚れがついているとピッチが下がってしまいます。
どこのリードかわからなくならないように一列ごとに箱に入れました。
エオリアンハープは2段になっているので、上段、下段に分けて保管しましょう。

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作業をまとめます。
①鍵盤磨き
②鍵盤裏側フェルト張替
③リード洗浄

その他の部分の劣化したフェルトも取り替えます。
④フェルト交換



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# by kazenokoto | 2018-08-21 19:21 | ヤマハオルガン11ストップ(大正時代)

解体⑤ リード蓋(3)


膠をすべてていねいに落としました。
   
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よく見ると、リード室に沿ってラインがうっすらとあります。
これは、以前の蓋がこの部分まであったという跡です。
そのラインまでは距離があるので、三角のコーナーがあったはずなのですがそれが取られてしまっています。

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実際についていたリード蓋を合わせてみると、まったくラインに届きません。
この蓋は新しく作ったものとみられます。

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ということは…140.png 、オリジナルの蓋は捨てられてしまったのでしょう。
蓋を新しく作らなくてはなりません。電ノコなど道具を全く持っていないので、どこかで木材加工をしてもらえるところを探さなくてはなりません。図面など作れるかな…? 不安がよぎります。

こちらはリード蓋についていた皮です。(注:このような皮やラバークロス、フェルトなどはサイズなどを確認するときに必要ですので、必ず修理が終わるまでは捨てないでとっておいてください。)


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上の白い皮が修理されていた部分。
下は唯一オリジナルが残っていたClarabella蓋の皮です。リード室の形がくっきりとついています。
これは形がはっきりしていればいるほど密閉されていたということになります。

上の白い皮には何の跡もついていません。
ということは、修理の後全くこのオルガンが弾かれなかったということです。
とても悲しいです。145.png



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# by kazenokoto | 2018-08-21 18:56 | ヤマハオルガン11ストップ(大正時代)

解体④ リード蓋 (2) Clarabella, Dulcianaの吸入バルブ


Melodia, Diapasonと共通のリードを使って鳴らす、Clarabella, Dulcianaのストップはリード蓋の開け方を変えることで音色に変化を与えています。
これらの、リード蓋は上側が開くようになっています。

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この部分は修理されていなかったのでオリジナルの形を保っています。

このリード蓋の吸入バルブは駒タイプのものではなく、弁が裏側についています。
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この弁は、リード蓋を閉めると棒が押されて開くようになっています。

図をご覧ください。
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このオルガンには6カ所バルブがついていますがDiapason(Dulciana)の下の音域にはついていませんでした。
おそらくこの音域のリードはとても太く、長くなっているのでちょっとした空気漏れでは空鳴りすることがないので必要がなかったのだと思います。

バルブの位置を図にしてみました。

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それでは、リード蓋周りの修理をまとめてみます。

①リード蓋の皮の張替
②バネの交換
③吸入バルブ駒の取り換え(5か所)




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# by kazenokoto | 2018-08-19 19:50 | ヤマハオルガン11ストップ(大正時代)

解体③ リード蓋 (1) リード室にある吸入バルブについて

問題はリード蓋の部分です。音漏れする箇所がいくつかありました。

大正時代あたりのオルガンに多く見られるのですが、リード室の横にバルブとなる駒があります。
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これは、ストップを引っ込めた時に音漏れを防止するためにリード室内全体を真空にする装置なので取らないようにしてください。

他の楽器で最初に見た時は何だろう?とわからなかったのですが、ようやくどのような役目をするのかわかってきました。

図をご覧ください。      
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リード室全体が真空になると、空気の流れによって引き込まれていきますので蓋のしまりも強まっていきます。
そのために音漏れを防止するという機構ですが、少し複雑なのでその後廃止され、リード室の形状をリード蓋にピタッとあてる形状にして真空の密度を保つようになったようです。

外国の楽器ではメイソン アンド ハムリンという会社がこの形式を取ったものがあるようで、pneumatic あるいは suction valveと呼ばれていたようです。(仮に吸入バルブと呼びます。)

このオルガンでは3か所、この吸入バルブの駒がとられてガムテープが貼られていました。
しかし、リード室の形状がこの機構用で、リード室とピタッとあてる形状ではないので絶対にこのバルブを利用しないと空気が駄々洩れしてしまいます。

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                  バルブが取られてガムテープが貼られている。

ということで、三角コーナーも取られてしまってリード蓋を直接リード室にあてて修理をしてみたものの形状が合わないために隙間から空気が漏れてしまいます。149.png


 
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                    すき間が出来てしまっている。

当然、音漏れがするので仕方がなくリード蓋に皮が足されています。134.png

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また、リード蓋の内側の箇所に金具ヒンジが取り付けられてしまっています。
                 
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これもオリジナルではないので取り外して、削られた部分を補修します。

また、外したリード蓋はどこがどこだかわからなくなってしまうので、必ず印をつけておきます。
教えていただいた方法は、必ず演奏する正面から見て右側をR,左側をLとして、手前からR1,R2,R3,R4と印をつけていきます。
Lも同じです。
自分でわかりやすいように、他の方法でも構いません。

取り外した金具もどのパーツのものかわかるように印を必ずつけましょう。

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# by kazenokoto | 2018-08-19 00:40 | ヤマハオルガン11ストップ(大正時代)

解体② 共鳴箱 大袋・小袋

さらに解体を進めていきます。

まず、共鳴箱を外して裏返して見ると10か所の割れがあったようでゴム布で貼られています。

共鳴箱にゴム布を貼ってしまうと音の響きに影響するので、埋木をして修理します。

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パレットバルブの部分の割れは綺麗に埋木されて修理されていました。

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共鳴箱を外した状態で大袋、小袋の空気持ちの状態を調べます。

丸い穴が開いている部分が大袋につながる空気穴なので、これをテープでふさいで調べます。

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穴をテープでふさいだ状態。そして、ペダルを踏んで大袋がシュー、シューと音がするまで踏み込みます。音がしたということは大袋の真空状態がいっぱいという印ですので、足を離し、大袋が戻り切る時間を計ります。1分7秒でした。この大きさのオルガンだと5分くらいは欲しいです。見た目は綺麗に袋が貼られていますが、やはり袋の張替も必要なようです。

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                 大袋が完全に広がるまでの時間を計ります。
              (このオルガンは1分7秒。スー、ス―と空気漏れの音もします。)

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パレットバルブを外しました。そんなに劣化していませんでしたが、汚れもあるのでこの際、張り替えることにします。




ここまでで、修理する箇所をまとめます。
①大袋、小袋の張替
②共鳴箱割れの部分の埋木修理
③パレットバルブの張替











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# by kazenokoto | 2018-08-12 16:20 | ヤマハオルガン11ストップ(大正時代)